萎草の茂るブログ

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東大入試数学 概観

2009年度の東京大学の数学の入学試験問題を印刷した冊子(文科・理科各1冊)の表紙の写真。本物の問題冊子ではなく、同じ内容を市販のコピー用紙に縮小印刷したものである。

東大入試数学
※ 写真はイメージです。


今年の東京大学の入試問題を解いてみました。数学だけ。
では、簡単と思われる方から順に。




※※ ネタバレ注意 ※※




※※ ネタバレ注意 ※※




※※ ネタバレ注意 ※※




〔文科第4問〕 《易》
(1)は、f'(x)の符号変化を見ればよいだけである。
とは言え、f'(x)は高々1次式(直線)であり、大した場合分けは無い。
(2)は、f(x)が減少→定数→増加となっているので、非常に簡単である。
相加相乗で解くのがよいだろう。
せめて微分しないと最小値をとるaがわからないような問題を作って欲しかった。

〔文科第1問〕 《易》
2円の中心間距離と半径との関係さえわかれば、楽勝である。
(2)は相加相乗で解くのが綺麗だが、平方完成しても大した労力ではない。

〔文理共通第3問〕 《やや易》
問題文が長く、計算が面倒。
だが、内容としては確率の基本的な問題である。
状況を正しく把握できさえすれば別段難しくない。

〔文科第2問・理科第1問〕 《やや易》
(1)は、mCi = m!/i!(m-i)! などと表してしまえば瞬殺。
(2)も、仮定と結論を正しく把握し、二項定理を正しく用いることができれば解ける。
理科(3)は k≡-1 (mod m) なるkを入れることを思い付くか否かが最大の問題である。
k = d_m - 1 や k = m - 1 を考えればよい。

〔理科第4問〕 《標準》
軸に垂直な平面での断面を考えるのは定跡である。
態々(1)でx≧0の部分を考えさせているのだから、「ではx<0の部分はa→∞でどうなるのだろう?」と考えればすぐ解る。

〔理科第2問〕 《標準》
行列のn乗を問題にしている。
そうは言っても、(2)までは単なる計算である。
(3)は、B^nをうまいこと成分表示すればよい。

〔理科第5問〕 《やや難》
まず両辺の対数をとるのは当然として、話はそこから。
(有理関数)×(対数関数)は何度微分しても似たようなものが出てきて鬱陶しいので、分母は払ってしまおう。
(1)を解いても、(2)が一筋縄ではいかない。
1-x < (1-x^2)^(1/x) まで辿り着いて右側の不等式が示せても、左側が大変。
中途半端ないやらしい誘導……

〔理科第6問〕 《難》
(1)は、図形的イメージが湧かなくても、内積の計算ができれば求まる。
(2)までできてしまえば、(3)はさほど難しくはない。(イメージ的にも解り易い)
この問題でネックとなるのは(2)である。
よくわからなければ座標をおいて解くこともできるが、記述量が膨大になる。
本番でこれを解き切った人はどのくらいいるのだろうか?


≪総評≫
全体として易化したのかなあ。
理科生は第4問までをだいたい解ければいいんでないでしょうか。
数学が武器となる人は、第3問ぐらいまでノーミスで解きたいですね。
第6問を解いてる暇があったら他の問題を確実にしましょう。


と、偉そうなことを書いてみる。