萎草の茂るブログ

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東大入試数学2011

さて、今年も東大の入試が終わりましたね。
例によって数学の概観をば。
簡単と思われる方から順に。




※※ ネタバレ注意 ※※




※※ ネタバレ注意 ※※




※※ ネタバレ注意 ※※




〔文科第1問〕《かなり易》
ただやるだけである。
せめて最小となる点は微分しないと求まらないぐらいにしても良いのではなかろうか。

〔理科第1問〕《易》
(1)については、ほぼ単なる公式の適用問題である。
(1)ができれば(2)は秒殺。微分が面倒臭いだけで、簡単な問題である。

〔文科第3問・理科第5問〕《易》
注意して数えていけばわかる。
文科の(2)ではご丁寧に「p以下の」という条件がついているが、態々これを書く意味は無いのではないか。

〔文理共通第2問〕《標準》
(1)(2)は問題文の意味を把握し、小数部分を正しく式で表すことが出来れば、難しい問題ではない。
理科の(3)は無限降下法っぽい問題。具体的な値を使って実験してみれば、何をすればよいかは自ずと見えてくるのではなかろうか。

〔文理共通第4問〕《標準~文科はやや難?》
α, β が実数であることに注意して X, Y の条件を求める問題。
答えを図示して見ると、それが正答であることはなんとなく確信が持てる筈だ。

〔理科第3問〕《難》
(2)は、置換積分や部分分数分解をうまく行うのがミソ。
答えをどのような形で書くかが悩ましいが、うまく表さないと(3)で極限を求めることができない。

〔理科第6問〕《難》
只管面倒臭い問題。
立体Vの適切な断面図を描けるかがポイントである。
この問題に嵌ってしまうと勿体無いので、計算に自身のない者は諦めて他を確実に取ろう。
(毎年第6問の感想がこんな感じである)


≪総評≫
どうも大手予備校の評価とは気が合わない。
大手予備校は「昨年並」や「易化」としているが、これは難化だろう。
(たぶん昨年の相当な易化をどう評価していたかに依るのだろうな)
某K塾は理科の第2問に「やや難」、第3問に「標準」と付けているが、逆じゃなかろうか?
某S予備校の分析が割と妥当な線な気がする。


と、偉そうなことを書いてみる。


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そうそう、京大の第6問が面白いです。
「当たり前」なことを証明させる問題で、実際簡単なのですが、「当たり前」なことを受験生に改めて考えさせる良問。
ゆとり教育に対する警鐘でしょうか。
三角関数の加法定理を証明させる問題がいつか東大でも出ましたが、京大も似たようなことやるんですね。